<2026年度上半期>インバウンド最新動向|欧米豪市場の旅行消費から考える、地域の受入環境づくり

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私たち大阪メトロアドエラは、大阪・関西を軸に、訪日外国人旅行者と地域をつなぐローカルガイド・体験事業「Osaka JOINER」を運営しています。

また、事業運営を通じて蓄積してきたナレッジやメソッド、旅行者接点やリアルデータの蓄積・分析をもとに、マーケットイン型でインバウンド受入環境整備を支援するコンサルティング事業を展開。全国13地域で、インバウンドマーケティング、コンテンツ造成・磨き上げ、観光案内機能強化、観光人材育成、地域の受入環境整備等を支援しています。

2026年上半期(4〜9月)も、訪日外国人による旅行消費は高い水準で推移しました。

今回は、観光庁が2026年9月30日に公表した4〜6月期(2次速報)と、10月21日に公表した7〜9月期(1次速報)の「インバウンド消費動向調査」をもとに、2026年上半期の市場動向を振り返ります。特に、Osaka JOINERが日々旅行者と接する中でも関わりの多い欧米豪市場に注目します。

2026年上半期、インバウンド消費は引き続き高水準

2026年4〜6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,125億円で、前年同期比0.3%増。7〜9月期は2兆2,076億円で、前年同期比3.2%増となりました。単純合計すると、2026年上半期(4〜9月)の旅行消費額は約4兆7,200億円となります。

1人当たり旅行支出は、4〜6月期が24万5千円、7〜9月期が23万4千円。7〜9月期は前年同期比6.1%増となっており、1人当たりの旅行支出も引き続き高い水準で推移しています。

旅行消費額の費目別構成を見ると、4〜6月期は宿泊費36.6%、買物代27.1%、飲食費21.7%。7〜9月期も**宿泊費35.2%、買物代27.7%、飲食費22.9%**となっており、両四半期を通じて宿泊費が最も大きく、買物代、飲食費が続く構成となっています。

journal_stacked_grouped_quarters_designed訪日客数だけでなく、どの市場から来た旅行者が、どれくらい滞在し、日本で何に消費しているのかまで見ていくことで、インバウンド市場の特徴がより具体的に見えてきます。

欧米豪市場で目立つ、旅行支出の高さ

2026年上半期のデータを見ると、欧米豪の複数市場で1人当たり旅行支出の高さが見られます。

4〜6月期の1人当たり旅行支出は、英国45.8万円、オーストラリア42.4万円、フランス42.2万円、ドイツ41.2万円、米国38.0万円となり、いずれも全体平均の24.5万円を上回りました。7〜9月期も、フランス42.3万円、英国38.7万円、オーストラリア35.3万円、ドイツ35.2万円、米国34.4万円となり、全体平均の23.4万円を上回っています。四半期によって差はあるものの、欧米豪の複数市場で1人当たり旅行支出が高い傾向が続いています。journal_per_capita_grouped_quarters_designed

旅行消費額を見ると、4〜6月期は米国が3,860億円で国・地域別首位となり、オーストラリア1,050億円、英国689億円、カナダ676億円、フランス572億円でした。7〜9月期は、米国2,409億円、オーストラリア628億円、フランス536億円、英国475億円、カナダ429億円となっています。4〜9月を単純合計すると、米国は6,269億円、オーストラリア1,678億円、英国1,164億円、フランス1,108億円、カナダ1,105億円となります

一方で、7〜9月期の前年同期比を見ると、米国9.1%増、英国11.5%増、フランス27.2%増に対し、ドイツ21.6%減、カナダ7.0%減となるなど、市場ごとに動きには違いも見られます。

もちろん、国や旅行者によって滞在日数や旅行スタイルは異なるため、「欧米豪旅行者=高付加価値旅行者」と一括りにすることはできません。一方で、訪日客数だけでは見えにくい1人当たりの旅行支出や、日本滞在中の消費という観点でも注目したい市場といえます。

欧米豪市場と、地域ならではの体験価値

欧米豪市場で比較的高い旅行支出が見られる中、Osaka JOINERが注目しているのが、その地域ならではの体験価値をどのように届けるかという点です。ジャーナルキャッチ (1)Osaka JOINERでは、地域の暮らしや文化、人との交流に入り込む体験を「ローカルイマーシブ(生活没入体験)」と捉え、ローカル体験を重視する欧米豪・リピーター等の旅行者と地域をつないでいます。 
地域の食文化やものづくり、歴史、商店街での交流など、地域にとっては身近なものでも、旅行者にとってはその土地らしさを感じられる体験になることがあります。

こうした地域資源を旅行者のニーズや視点から捉え、コンテンツとして造成・磨き上げていくことに加え、ガイド人材育成や地域事業者との連携、予約・移動・決済などのUIUXを含めた受入環境整備も、地域での滞在や消費につながる要素のひとつです。 

現場から見る、2026年上半期の欧米豪市場| インバウンド事業部長 吉田

Osaka JOINERを利用するゲストの約80%は欧米豪旅行者で、そのうち約70~80%が初めて日本を訪れる方です。

欧米豪旅行者というと、「日本の深い歴史・文化を体験したい」「高付加価値な体験を求めている」といったイメージを持たれることもありますが、実際には「日本の食」を楽しみにしていたり、初訪日だからこそ王道の観光地を訪れたいというニーズも多くあります。

一方で、平均滞在日数が14~15日以上と長く、旅の途中で新たな興味や行動が生まれやすいことも特徴です。ガイドや地域のお店の方との会話をきっかけに、「ここにも行ってみたい」「これを体験してみたい」と、その場で旅程が広がっていく場面を私たちも多く見ています。

先日Osaka JOINERベースで出会ったポーランド人旅行者は、日本で楽しみたいことを「Drink!」と笑って話してくれました。東京・大阪・沖縄などでローカルのお店を巡り、人との交流を通じて街の日常や文化に触れることが旅の楽しみなのだそうです。昼間の予定はあえて決めすぎず、その日に教えてもらったおすすめを翌日に試すこともあると話していました。

こうした現場に触れていると、インバウンド施策では「コンテンツ」や「プロモーション」だけでなく、旅行者の考え方や旅の楽しみ方、タビマエ・タビナカの状況まで含めて、ターゲットを理解することが大切だと感じます。Osaka JOINERも、こうしたニーズから逆算して「フレキシブル」「パーソナライズ」「インタラクティブ」を意識した設計にしています。

私がJOINERの現場に触れるのはもっぱらBar Hoppingになってしまいましたが、日本人も外国人も関係なくローカルのお店で乾杯し、お互いの国の文化やサッカーの話で盛り上がる。そんな、ただただハッピーな空気が生まれる現場を見るのは、とても幸せです。地域の「日常」が旅行者にとって魅力的な体験となり、日本人も外国人も自然に混ざり合う。そんな光景が日本各地に広がっていけばと思っています。

Osaka JOINERの知見を、地域のインバウンド施策へ

大阪メトロアドエラでは、「Osaka JOINER」の設計・運営を通じて蓄積してきたナレッジやメソッド、旅行者との接点やリアルデータをもとに、マーケットイン×地域課題の視点でインバウンド受入環境整備を支援しています。
インバウンドマーケティングやターゲティングをはじめ、コンテンツ造成・磨き上げ、ガイド人材確保・育成、地域事業者との連携、観光案内機能の強化、プロモーション、実証事業など、地域の状況に合わせた支援を行っています。 

「欧米豪市場について、まず自地域との相性を知りたい」
「地域資源を訪日外国人向けのコンテンツとして磨き上げたい」
「ガイド育成や地域事業者との連携を含め、受入環境を整えたい」といったご相談も承っています。

欧米豪市場への取り組みや、地域資源を活かしたコンテンツ造成、受入体制づくりなどをご検討の自治体・事業者さまは、お気軽にご相談ください。